子育てっておもしろい Ehime Child's Castel えひめこどもの城トップページへもどる
 

親子の絆
もどる  

6.自己教育力 〜ただひたすらに〜《パソコンコーナー》

 今年はジョロウグモの繁殖がかくべつに多いようです。あちこちに張りめぐらされた巣が、朝露を乗せてきらきらと輝いています。巣の中央に陣取るメスの体形はたぶんオスの3倍もあるでしょう。腹部は黄色と赤色、灰青色。足部は黄色と黒色でその模様は毒々しいまでに鮮明です。糸つぼから出る糸は6種類もあり、それぞれに異なる機能をもっているとされます。

 目が8つのグロテスクな顔と姿態は昼夜の風雨にも動じず、時には鋭い牙と口でオスを食べてしまうメスの猛々しさは、どう考えても好印象を持てません。それでもわたしはわずか半年のはかない命の蜘蛛(くも)に、或る1つの想念を重ねてしまうのです。それは待つ心とでも表現できるものでしょうか。全神経を集中しながら獲物の方から飛び込んで来るのを、不動の姿勢で、ただひたすらに待ち続けるわけです。

 ところで日常の子育てにおける親や教師は、子どもにすべての事柄を教え得ないことは自明の真理です。だとすると、大人が教え得なかった取りこぼし部分は、子ども自身が自分の力で補うところに、学習の深層が秘められているわけです。これは「自己教育力」とも呼ばれますが、子育てや教育の究極的なねらいもこの力を子どもの内面にどう育て得るかにかかっているわけです。そのために関与者には子どもを信じ、ただひたすらに待つことがきびしい戒律として課せられます。

 しかし現代社会では教えることに短兵急で、待てない大人があまりにも多すぎはしないでしょうか。結果的に指示待ちの子が、教育熱心との美名の下で数多く産出されていることを見落としてはなりません。

 今、確認すべき子育ての原点は、まず子どもの動きが一歩先行し大人の動きが一歩遅れるところにあります。これは指示したい、教えこみたいと気おい立つ心を静めながら、子どもからの働きかけをただ待つことなのです。しかしながら蜘蛛たちの待つ心は、ただボンヤリと待つのではありません。全身の毛で音を聞きにおいを嗅ぎわけ、周囲からの情報を懸命に収集し分析しているのです。遊びの場こどもの城での子どもへの接し方は、まさに蜘蛛をお師匠さんと敬する、待つことの学びの中にあるわけです。

平成14年12月1日

 
もどる  




●● もくじへもどる ●●
親子の絆
1.そったく同時
〜トコトン一緒〜
《相談コーナー》
2.親の背中
〜真の学習とは〜
《森の迷路》
3.同行共育(教育)
〜山路越え〜
《てっぺんとりで》
4.自立(自律)
〜親切、不親切〜
《ふれあいの池》
5.親子関係
乗り越えられる〜
《卓球コーナー》
6.自己教育力
〜ただひたすらに〜
《パソコンコーナー》