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親子の絆
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4.自立(自律) 〜親切、不親切〜《ふれあいの池》
 ボート遊びで人気絶頂の通谷池が改修工事に入っている時のことです。おかげで池は空っぽでした。通谷池の主の「大鯉」はその巨体を、全く異なる環境である「ふれあいの池」で休めていました。わたしはその雄姿にほれこみながら、毎日きまった時刻にせっせと通いつづけました。お笑いください。ここでの興味深い事柄に次のようなことがあります。

 それは「親切に育てられた」人工フ化の鯉と「不親切に育てられた」野性の鯉では、餌(えさ)の食べ方が異なっているということです。前者は与えられた餌をパクパクとおいしそうに食べ、後者はわれ関せずの知らんプリなのです。すなわち野性の鯉は労せずに人間に与えられる餌のうま味を、いまだに知らないわけであります。

  こうして両者による反応の違いが3ヶ月あまり続いていました。すると不思議なことにわたしはいつの間にか、餌を積極的に食べる人工群を「アア、カワイイ」といとおしく思い、食べない野性群を「フン、スナオデナイ」と決めつけるようになってしまいました。ひるがえってここで問題視したいことは、こうした気持ちの通じ合いは鯉だけに限らず子どもからの反応様態によって、養育者の育児態度もがらりと変わるということです。

 最近、国家レベルでの少子化対策がにわかに浮上してきました。少なく産んで手厚く育てるとの育児願望は、手厚くとの大義の下でモヤシのように脆弱(ぜいじゃく)で、指示されないと何もできない子どもを大量に産出し始めました。こうした状況は「やさしくやさしく」「かゆいところに手がとどく」育児法だけが、絶対・唯一のものではないこと。並びに子どもとの日々のかかわりの中で、「親切と不親切」心を緩急自在に、使い分けることの大切さを提起していると考えるべきではないでしょうか。その分岐点は母子分離「自律への旅立ち」としての、3歳児期に横たわっていることに留意すべきです。

 ともあれ3歳児期までは抱きしめて、3歳時からは突き放して、子どもから積極的に養育者へかかわらせることが肝要なのです。厳しい自然環境の下で30余年間、たくましく生き続けた大鯉の生命力は、人間発達にとって不親切こそが本当の親切との哲理を突きつけているわけです。このことに当園はどのような答案を用意すべきなのでしょうか。

平成12年4月1日
 
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親子の絆
1.そったく同時
〜トコトン一緒〜
《相談コーナー》
2.親の背中
〜真の学習とは〜
《森の迷路》
3.同行共育(教育)
〜山路越え〜
《てっぺんとりで》
4.自立(自律)
〜親切、不親切〜
《ふれあいの池》
5.親子関係
乗り越えられる〜
《卓球コーナー》
6.自己教育力
〜ただひたすらに〜
《パソコンコーナー》