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社会性・やる気
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5.内言活動 〜ことばの裏のことば〜《野鳥の森》

 山頂部に向かう路傍に、「林の中の○○に注意しましょう」との立て看板があります。○○とは毒へびのことです。それにしてもこの親子へびの絵は、なかなかにユーモラスで思わず笑いがこぼれます。しかしこうした半具体=絵文字を通しながら、子どもたちには天敵(毒へび)のイメージが即座に浮かばなければなりません。このことは換言すると、表面的なあたたかさだけに限らない「ことばの裏のことば」が分かることです。人間の人間たる本来的なゆえんも、こうした考える力=内言活動にあるわけです。

 そのためにはまず目に見えるモノの名まえが、いっぱいわかることが絶対的に必要です。或る人のお話によりますと、当園に飛来する鳥は年間を通して約47種類にのぼるそうです。これに四季おりおりの花や草木、動物の全てを合わせるとその数は大変なものになります。これらの1つ1つには定まった名前があります。

 人はそれらを具体的体験の中で確実に覚えこんでいるのです。いや名まえだけではありません。路上のみみずの骸(むくろ)、舞い散る落葉・・・。そんな風景を目の前にしながら生きものの厳粛な終末(死)を知り、かなしい、さみしいとの情感をも体得するのです。

 ともかく人はこの世に生を受けた後わずか3年間で、今、目の前にないモノ・ヒトを自分で見立てたり想像したり、感じ取ったりできるようになるわけです。しかしこうした能力(象徴機能)は、日常生活の中のモノ・ヒトとの豊かなかかわり体験がない限り、一面習わぬ経を読むに似て、空しいことば唱えレベルに終わってしまうのです。にもかかわらずこの世では、ことばにさえ置き換えると安心してしまう、言語至上主義的な考え方が根強くはびこっております。このことは人間形成上でもたいへん危険なことです。口先だけのコミュニケーションでは、誠実な心を持った人は育たないのです。

 えひめこどもの城はヒト・自然共生型の劇場なのです。当然ここで演出される物語のすべては、何かを覚えるのではなく何かを体験することに意味があるのです。ここを急がば回れの形でどれほど豊かに用意、提示して上げるかによって、ほんとうに考える子どもが育つかどうか、その命運の大半は決まると思われてなりません。

平成14年10月1日

 
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社会性・やる気

1.場の雰囲気
〜これ以上はダメ〜
《芝生広場》

2.10年来の同士
〜相手の気持ち〜
《多目的ホール》
3.絶対評価
〜わが子とあの子〜
《あいあい児童館》
4.過保護・過干渉
〜幼児クラブ〜
《ボランティアルーム》
5.内言活動
〜ことばの裏のことば〜
《野鳥の森》
6.独自性・共通性
〜オンリーワン〜
《駐車場》