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社会性・やる気
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2.10年来の同士 〜相手の気持ち〜《多目的ホール》
 きょうのお客さまは遠足で来園された某幼稚園、約二百名の子どもたちです。1階ホールでの園長先生のお話が終わるや否や、雪崩れをうって多目的ホールへ猪突猛進(ちょとつもうしん)です。目ざすはそこの三輪車なのです。それぞれの子どもはいちばん人気が高い遊具を知っているのです。それは以前にパパやママと来た経験があればこその貴重な知識です。しかし残念ながら台数には限りがあります。

 当然のことながら例によって例のごとくの争奪戦です。子どもは自分の気持ちに忠実で、大人のような建前と本音の使いわけはありません。そのことがまばゆいばかりの光彩を放ちます。そのうち5歳児さんが思いあまってお友だちの頭をポカリ。しかし殴られた子も負けてはいません。相手に独占させまいとしゃにむに三輪車にしがみついて離れません。目には目、力には力の実力闘争の世界です。この期の子ども独特のケンカの発生です。

 子どもは遊ぶことが商売。体験を通してこそ子どもは成長するとはまさに至言です。体験とは遊びでありケンカなのです。子どもにとって重要不可欠なことは、全心身を投入しながら遊びとケンカができることです。にもかかわらず現代社会の病弊は、「ひとりで遊ぶ方が楽しい」「友達と遊ぶと疲れる」と感じる子どもをおとなしい、かしこいとの美名の下で続々と産出しつづけているのです。こうした実態は子どもの成長や発達の母体となる、「仲間集団」を無意識のうちに否定しているわけです。

 三輪車の奪い合いは貴重な仲間集団の中でのぶつかり合い、試練、修正行動に他なりません。子どもたちはここでのしがらみ、擦りむき傷の痛さや涙を通しながら、真の社会性や対人関係のあり方を発見し学習しているのです。ご覧下さい。あれほどに激しい争奪戦を演じた先ほどの敵と味方は、ハンドル2個の三輪車上でぴたりと呼吸を合わせつつ、十年来の戦友同士となりきっているではありませんか。

 遊び、経験至上主義のえひめこどもの城でのねらいは、お友だちとの遊びとケンカの体験を通しながら、他人の痛みをわが痛みとして感受できる思いやりの心や、これ以上はダメとする手加減の仕方の育ちへの期待にあります。

平成12年2月1日
 
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社会性・やる気

1.場の雰囲気
〜これ以上はダメ〜
《芝生広場》

2.10年来の同士
〜相手の気持ち〜
《多目的ホール》
3.絶対評価
〜わが子とあの子〜
《あいあい児童館》
4.過保護・過干渉
〜幼児クラブ〜
《ボランティアルーム》
5.内言活動
〜ことばの裏のことば〜
《野鳥の森》
6.独自性・共通性
〜オンリーワン〜
《駐車場》