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自立への旅立ち
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6.心って? 〜人と人との関係の問題〜《周遊園路》

 周遊園路のスタート地点から歩き始めて、みずべのレストラン前を過ぎますと、さくらの小径とミニSL線路が平行して伸びる3車線になります。ここでロードトレインの子どもたちに手を振りますと、みんなにこにこしながら応えてくれます。まさしく心とは目に見えないものではなくて、「人と人との関係の中」にあることを教えられる一コマです。

 今日は本県の肢体不自由児養護学校と香川県某小学校の交流活動、遠足の日です。からだが不自由なお友だち30名の車いすと、24人の小学生、40人の介助者が1つの団子のようになって、約2Kmの園路を歩いて周るのです。県境を越えるこの交流活動は、今回で通算6回目になります。可能な限りのバリアフリーとトイレの配置に留意した本園も、こうした壮挙に心からの声援をお送りする次第です。

 ところで世話される人と世話する人、約百人の本集団には、一見するところ独特の雰囲気が漂うように感じられます。しかしその内実には、容易ならない想念が秘められているのです。すなわち関係者はこの世に生きる人間同士として、冷酷きわまりない障害事実を真正面に見据えつつ、「今、自分には何ができ、どのように相手に接するか」を、真剣に感じ合っておられるわけです。これこそ、その荒廃ぶりが指摘されて久しい、「思いやりの心」そのものに他ならないのです。

 両校の事後収録には、養護学校生徒の歩くことに対する切実な願望、それへの健常児の感想文が載っています。
 「ぼくの夢は、杖をついてでも、自分の足で歩くことです。自己紹介で、そんなことを言った人がいました。私はその夢を聞いて”えっ”と思いました。私にとって自分の足で歩くことは、当たり前のことだったからです。でもその人は、車いすで生活しているお兄さんでした」「・・杖で歩くことが夢なんて驚いた。そんなことだれでも簡単にできると思っていた私が恥ずかしい。これからは、私がその人の杖になってあげたい」

 それにしてもこの崇高な子ども心が、なぜ安易に、物ばかり豊かで心貧しい現世に風化してしまうのでしょうか。それは「心の問題」が、人間同士の生(なま)体験を欠如したままの、建て前論で終わるからです。しかもこの現状の打開は、大人の力だけでは絶対に不可能です。遠い未来に向けて、前記の子どもたちの鋭い感性を、ぜひとも開花させなければならないのです。この意味でも、えひめこどもの城での出会い体験は、強者と弱者が共生する社会に向けての一里塚でありたいものです。

平成17年4月1日

 
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自立への旅立ち
1.中央分離帯
〜探索・好奇心〜
《松山側駐車場の階段》
2.花落ちて、花開く
〜感性の育ちこそ〜
《通谷池周辺》
3.落葉帰根
〜植物の育ちと子育て〜
《四季の森》
4.恐怖心
〜泣かせると喜ばれる〜
《お化け屋敷》
5.今、ここに
〜17分間の会話〜
《カリヨンモニュメント》
6.心って?
〜人と人との関係の問題〜
《周遊園路》