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自立への旅立ち
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4.恐怖心 〜泣かせると喜ばれる〜《お化け屋敷》
 真っ暗闇のテントの中からお化けや幽霊の叫び声、不気味な振動音が聞こえてきます。それに子どもたちの悲鳴や泣き声がこだまします。出口から出て来た4歳ぐらいの男の子は、ママの胸にしゃにむにしがみついたまま絶句、放心状態です。そうした様態をちらりとうわ目で伺うだけで、子どもたちの恐怖心はいやが上にも高まります。これは人間としても当然のことであって、恐れの気持ち自身がよいとか悪いとかというものではありません。

 お化け屋敷の使命は「子どもをしっかり泣かせると、保護者がニコニコ笑って下さる」、誠に奇妙きてれつな大義にあります。そのためには全知全能を傾けて、とるに足らぬほどの空間といえどもそれなりに、「恐怖の館」を現出しなければなりません。幽霊マスクで汗びっしょりのスタッフは息をはずませ、熱っぽく、お化け屋敷が成功するコツを語ってくれました。話の内容には、真っ暗がり、光の点滅、懐中電灯、色や形、効果音、四感覚(視・聴・触・臭)、ゴムマスク、風の音、などのキーワードが含まれていました。

 そして子どもの恐怖心の大半は、 ・これらの小道具をどう使いこなすかによって決まる ・お化けが出現する場所や位置は、真正面よりも横や背後からが効果的 ・広い通路や空間よりも、至近距離での動きに恐怖心は倍加する ・予期していない意外性をうまく演出する。「泣かせのプロ」たちのこうした確認は、汗みどろであるだけに強い説得力を秘めています。

 もともと人間の恐れの情緒は生後6か月頃に分化しはじめ、その対象は年齢にしたがって大きく変容するとされます。おもしろいことにお化け屋敷での子どもの反応も、1・2歳頃までは平気の平佐ですが、3・4歳頃からは暗闇やお化け、想像上の生物(妖怪)を対象とするものが急激に増加します。すなわちこの年代において「恐いモノは、よけいに見てみたい」とする、背反する心の揺れが本格化してくるわけです。これは第1反抗期における精神構造の特質、「・・だけれども・・したい」との心情にあたるとも言えるでしょう。ところが7歳時期以後はニコニコしながら、しかも徒党を組んでお化けのお相手ができるようになるのです。

 遊びの体験の場、えひめこどもの城は「具体から抽象へ」の発達指標を、感性豊かに体得するために用意されたものです。そのための一里塚として、お化け屋敷も存在するわけです

平成16年10月1日
 
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自立への旅立ち
1.中央分離帯
〜探索・好奇心〜
《松山側駐車場の階段》
2.花落ちて、花開く
〜感性の育ちこそ〜
《通谷池周辺》
3.落葉帰根
〜植物の育ちと子育て〜
《四季の森》
4.恐怖心
〜泣かせると喜ばれる〜
《お化け屋敷》
5.今、ここに
〜17分間の会話〜
《カリヨンモニュメント》
6.心って?
〜人と人との関係の問題〜
《周遊園路》