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情緒を育てる
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6.知行合一 〜ウグイスの谷渡り〜《屋外トイレ》

 世上では陰惨きわまりない事件や事故が後を断ちません。深いため息と共に、何かほのぼのとする心の癒しが欲しいと願わないではおられません。そんな折に本園の屋外トイレ=8ヶ所でのウグイスの谷渡り(オーオー、オキロ)を思い浮かべました。場所によっては、これに笹鳴き(チャッ、チャッ)カッコウ鳥の(カッコウ)も加わります。

 もちろん本園ではほんもののウグイス(お師匠さま)が常に鳴いています。その絶妙の美声に、どれほど多くの人が心を癒されたことでしょうか。それにくらべてトイレの人工擬音はひな鳥の鳴き声そっくりです。その幼稚さや滑稽さがかえってわたしどもの胸に響きます。これは赤ん坊の笑い声や幼児のカタコトが、音素的には未熟であっても人の心をとらえて離さないのに似ています。すなわち耳を通しての聴覚映像は、関与者自身のかかわり方によって大きく変容するものなのです。

 ところが目を通しての視覚映像はあくまでも鮮明であり、完全無欠であるに越したことはありません。早い話がトイレ、便所、お手洗い、化粧室とそれぞれに呼び名は違っていても、ここは視覚的に美しいことが絶対条件となります。こうした意味で本園のトイレは目と耳の両感覚を統合しつつ、従前の3kイメージ(汚い、臭い、暗い)を、ものの見事に払しょくしていると自賛いたします。ただしこの様態はトイレの使い方の成果ではなく、委託清掃の結果であることを忘れてはなりません。

 今日の公衆トイレの惨状は、期待される人間像としての「知行合一」がいかに困難な課題であるかを物語ります。すなわちわたしどもは、トイレを美しく清掃したり使用しなければならないことは頭の中では十分に知っているのですが、実際に美しくする一歩の実践が出来ないのです。正直なところこのような建て前と本音の使い分けは、大人の日常生活では随所にころがっているわけです。人類にとって道徳律の問題は、まさに永遠の課題となるといっても過言とはなりません。

 えひめこどもの城のトイレ(癒しの道場)での、苦悶を1つだけ記載させていただきます。「トイレ使用に関するマナーやルール確立のためにも、ここでの美しさ体験はこの上なく大切にしたいものです。しかし課題の本質なり深層は、敵は本能寺にありとばかりに別のところにあります。そのためにも今一度、家庭や学校トイレでの心の教育が猛反省されるべきであります」。

平成15年10月1日

 
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情緒を育てる
1.絶対的信頼感
〜アルバムの厚さ〜
《幼児コーナー》
2.母子一体
〜おむつ軍団〜
《授乳室》
3.核家族
〜ああ。異年齢交流〜
《親水護岸》
4.聴覚映像
〜聴く読書〜
《図書コーナー》
5.感受性
〜生(なま)体験こそ〜
《ふれあいトンネル》
6.知行合一
〜ウグイスの谷渡り〜
《屋外トイレ》