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見えない学力
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5.「一緒に遊ぶ人」 〜お別れじょうず〜《児童館周辺》

  こどもの城はジョロウクモ、ムカデ、スズメバチ、カメムシ、ゴキブリ、シロアリ、トンボ、カラス、セミなどの楽園です。今年は自然界のいたずらなのでしょうか?これらの生きものは膨大な数になりました。とりわけスズメバチ針の毒性は強烈ですが、児童館横のイノシシの出没にも、驚嘆、絶句してしまいました。

 まず最初の危惧は、「子どもの後ろには、まちがいなく親がいる」ということでした。捨て身でわが子を守る親は、文字通り猪突猛進できわめて危険です。しかし外敵の恐さを知らない子どもたちは、短いしっぽをふりふり愛想よく私たちの方にやってきました。この天真らん満さは、幼い子のみへの神様からの贈り物なのでしょうか。ところでどんな事情があったのか、親たちは最後まで姿をみせませんでした。

 イノシシの世界にも「養育放棄」があるのかと、苦笑しながら部屋に帰りPC画面に目をやりますと、偶然、教育研究開発センター「幼児の生活アンケート(国内調査)」速報版が飛びこんできました。ここでの〔乳幼児の生活の様子、保護者の子育てに関する意識と実態〕は、過去10年間の変化を把握する上でも貴重なデーターです。次年度は東アジア調査も刊行される予定なので楽しみなことです。ここでは調査の1項目、「一緒に遊ぶ人」のみを引用しておきましょう。
 
 〔幼稚園や保育園以外での子どもが一緒に遊ぶ人についてたずねたところ、(きょうだい)(ともだち)が10年間で10.0ポイント程度減少しているのに対し、(母親)が25.8ポイント増加して80.9%となった。さらに、さまざまなメディアの利用について、おもに誰と一緒に使うかを聞いた項目でも同様の傾向が表れている〕

 少子化の現代社会では、「ぴったりくっついたまま、離れられない」とする、母子一体感にはさらに拍車がかかっているようです。それだけに本調査の約3分の1が、4歳・5歳・6歳児であることが、とても気にかかります。なぜなら「一緒に遊ぶ人」の真価は、適切な時期に離れる、母子分離のあり方によって決定されるからです。

 以下の例え話に、私は本気です。昔日より「シシはわが子を、千尋の谷に突き落とす」があります。これは「自立(律)への旅立ち」の意義をも指摘すると考えられます。だとすると木陰で一定の距離を保ちながら、子どもたちの危険回避力を見つめた親イノシシこそは、えひめこどもの城の体験・経験至上主義の願いを、人間よりも確実に実践していると言えるのではないでしょうか。

平成18年2月1日

 
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見えない学力
1.無駄の効用
〜雑学の強さ〜
《竹林》
2.手に仕事を、頭に思考を
〜だったら、全部やってよ〜
《創作工房》
3.鳩の糞(ふん)害
〜親は無くとも子は育つ〜
《光の塔》
4.合計特殊出生率
〜兄弟は他人の始まり?〜
《ボールプール》
5.一緒に遊ぶ人
〜お別れじょうず〜
《児童館周辺》
6.これから、児童館は
〜駆け込み寺〜
《遊歩道》